イーゲルヒュッテ
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  • 699円。タイ生まれ。
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2006/03/19//Sun.
ヤロスラフ・ハシェク『不埒な人たち』

不埓な人たち―ハシェク風刺短編集
ヤロスラフ ハシェク Jaroslav Hasek 飯島 周
平凡社 (2002/01)
売り上げランキング: 219,595

ヤロスラフ・ハシェクの名前は『兵士シュヴェイクの冒険』で
知っていたけれど作品を読むのは今回が初めて。
チャペック、カフカ、ミラン・クンデラとチェコの作家は
凄いのうといつもしみじみ感心させられるのですが、ハシェクも
また凄い御方でした。
どんな作風かを自分の言葉で表現するならば、
見栄っ張りで豪華なお召し物で着飾った〈裸の王様〉の行進を見て、
それを裸だと指さした子供の素っ気無い程の純粋さを保ったまま
大人になり、その裸体目がけてオナモミをぶつけて周囲の笑いを
とるような感じ――
ハシェクのように面白く書きたかったのですが……嗚呼修行が
足りませんね。はあ。
私の筆力では限界があるので大人しく訳者の解説を引用します。
「ハシェクの風刺の対象は、なによりも権力・金力・知力を
ひけらかす連中、具体的には政治家・役人・軍人・事業家などで、
王侯貴族・聖職者・学者や教師も槍玉にあげられている。
しかし、個人攻撃というよりは、その個人が属する階級全体を
浮かび上がらせるような筆致で、ある種の社会性を認識させる。」
(『不埒な人たち』261頁6行目~9行目)
以下気に入った作品について少々。

『スポーツについて』
「スポーツ」と言っても、いわゆる本当の運動ではなく王侯、
政治家等、支配者にとってのスポーツである戦争、侵略行為を
そう呼んでいます。
あたかも心身をさわやかにするためのスポーツをするかの如く
他の国を蹂躙していく様を風刺。
ハシェク曰く「チェコの歴史は、このスポーツについてみごとな
例を多数提供している。」(56頁5行目)
あまり、歴史に明るくないのでウィキペディアのチェコの歴史をご参照下さいませ。
ハシェク亡き後もナチスドイツの侵攻や共産主義国家の首領
ソ連が内政に干渉してきて、従わないと軍事力で圧力をかけることが
あったりと、確かに「スポーツ」についての例が多数あります。

『幸せな家庭』
雑誌『幸せな家庭』に載っている生活の知恵を実行しさえすれば、
幸せになれる、はずなのですが一向に幸せに近づけません。
マニュアル遵守の生活を送る妻とそれに付き合わされる夫との
やりとりが面白い。

『不道徳なカレンダー』
国の風紀を乱す不道徳なカレンダーを血眼になって回収して、
上司に貢いだり、我が物とし公共の道徳を守って下さる
警察官のお話。これを読んで書店でバイトしていたとき月イチで、
過激、不適切な内容の雑誌、コミック誌を陳列していないかを
チェックしに来るおば様方を思い出しました。

『小さな生理的要求と法律――論文に代えて』
小さな生理的要求に従って行動した男性の顛末。
確かに生理的要求を満たすには不適切な場所で違法行為だった
とは言え、ささいなことに目くじらを立て出頭させるために
文書まで作成する仕事熱心な役人ども。
こうしたお役所仕事にかける情熱を茶化した作品が
『プラハの橋の通行税集金人シュチェバーン・ブリフ氏の職務に
かけた情熱』です。シュチェバーン・ブリフ氏はとっても勤勉。
幽霊になっても職務に対するその情熱は不滅なんですから。
ホント役人の鑑のような御仁なのです。

『オンジェイ司祭の罪』
道徳的で清廉潔白な魂、篤い信仰心だけでは駄目ですか?
「ヨーロッパの対蹠地における信仰は異端」と断じる
教会に従えば正統から外れた異端信仰者として有罪でしょうが、
こうした視野狭窄な価値観こそ、差別を増長させる元凶なのでは。

少し下品なところがあっても、そこは〈不埒な人〉ハシェクの
持ち味で、自己の体験と奔放な想像力を駆使して、攻撃の対象を
おちょくることに命をかけた、と言うのは大袈裟かしらん。
因みにオナモミはこんな植物です。オナモミ
小さい頃服にくっつけて遊びましたねー。
(チェコにオナモミってあるかな?)

3月21日追記
ハシェクについてネットで調べていたらこのようなサイトを発見。
http://www.cedok.org/
うおう、か、可愛い。
チェコ、東欧、ドイツ関連の雑貨を取り扱っているようです。
ハシェクの挿画を描いたヨゼフ・ラダの絵本等もあるみたい。

小説 | trackback(0) | comment(2) |

comment

2006/03/19 16:33

これ読みました。何かチャペックに通ずるところのある作家ですよね。チェコの作家って、肌合いが合う人が多いのだけど、心性が日本人に近いものがあるのでしょうか。
『兵士シュヴェイク』は面白いんだけど、やっぱりちょっと長くてだれるところがあります。その点短編集はピリリとした味があって愉しいですよね。
ちなみにチェコの作家といえば、イヴァン・ヴィスコチルなんか面白いですよ。

kazuou | [ edit ]

2006/03/20 08:58

チャペックを少々下品にして毒を盛り付けたような味わいがあると思います。ここに収録されているのは千数編もの作品のうちのごくわずかですから、他にも面白い作品があるんだろうなあ。
『兵士シュヴェイク』も読んでみたいです。
>イヴァン・ヴィスコチル
初耳のお名前です。まずはネットで探してみますね。

イーゲル | [ edit ]









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